2021年08月17日

USB直結のSSDはデータ復旧困難

「USB接続のSSDが認識しなくなった。復旧したいが?」
比較的お近くのお客様からお問い合わせ。
「SSDは難しいことが多いですが とりあえず見させてください。」
しばらくして持ってこられたのでお預かりして調査開始。

結果 まったく認識、反応もしない
 物理的断線ではないようなのでファームウェア障害の疑い

本件 かなりな確率で復旧は難しいようです。

理由
1.前にも書きましたが SSD自体発展途上でHDDほどには決まった作り方がされていない。
  HDDの場合 技術的には確立されており メーカーも淘汰され実質数社しかない。
  これらメーカー間には細かい差はあるものの技術は確立している

2.USB直結であること。
  SSDであってもインターフェースがATAの場合 それぞれの端子の役割が明確であり
  かなり突っ込んだ作業(コマンドを送る等)がしやすい。
  USBを経由してしまうと細かな操作ができない。

これらが相まって USB直結のSSDの復旧は難しくなります。
また 本件メーカーがHDDメーカーでないこともより難しくしています。

というわけで 一見便利に見えますがUSB直結のSSDを使用する場合 HDD以上に確実にバックアップを取るようにしてください。
一旦トラブルが起きてからでは取り返しがつきませんから。
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posted by den-now at 12:40| Comment(0) | 日記

2021年08月06日

Windows ソフト込みのデータ復旧

最近 2件立て続けで
「起動しなくなったPCをデータ復旧してWindowsとインストールされているソフトを動くようにしてほしい。」
という依頼があった。

どちらも古いパソコン(PC)で使用しているWindowsも古く(Windows2000)HDDも片方はIDE(パラレル)もう一方はSCSI。
IDEのほうはソフトのインストールディスクはあるがOSは無し。
今時Windows2000がまともに動くPCを探すことも難しくなっている。
VMwearを使用し最新のwindows上で仮想的に古いOSを動かすことも可能だが この場合正規のインストールディスクがあることが大前提となる。
※過去にWindowsXPをWindows10上で仮想的に動かし、その上でシステムを再構築したことはあります。

データ復旧というのは起動しなくなったPCからファイル単位でデータを取り出して他のパソコンで使えるようにすることで
起動しなくなったWindowsを起動できるようにすることやソフトを動くようにすることではない。
認識しなくなったり 場合によっては回転しなくなったHDDからファイル単位でデータを取り出す事は技術的にも確立しておりかなりな確率で復旧は可能。

しかしWindowsを起動できるようにすること、さらにソフトを使えるようにする事は極めて難しい。
ファイル単位のデータはたとえ一部に情報の欠損があったとしてもその部分を無視して復旧できる可能性は高い。

しかし Windows(OS)やソフトは一部の磁気情報が欠損していると動かない。
Windowsの場合 欠損しているファイルを他から持ってきて修復することもできないわけではないが 独自のソフト等ではその方法も使えない。
したがって ソフトが書きこまれている領域の磁気情報に欠損があるとそのソフトを動作できるように修復することは不可能です。

Windows(OS)の修復に関しても 一般的なデータ復旧を行ったうえでそのPCやWindowsに合わせてシステムの修復をおこなわねばならず大変な手間と時間がかかる。
※費用的にも通常のデータ復旧の数倍はかかります。

作業を行ったとしても復旧できる可能性は極めて低く お客様の負担も大きく データ復旧業者としてもリスクも大きく、このような作業はやりたくはありません。
「何が何でもこれらシステムを復旧させなければ膨大な損害(一千万単位)が発生する」という状況でもない限り絶対おすすめしません。

こんな事態にならないように 古いPCでインストールディスクもない状況で現在稼働しているなら 今すぐ手を打ちましょう。
正常に稼働さえしていれば 予備のシステムを作り上げることはそう難しい話ではありませんから。
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posted by den-now at 08:30| Comment(0) | 日記